冬の味覚の王様である牡蠣ですが、牡蠣の事を「海のミルク」とよく言われています。
食べ物を別の食べ物に例える事はよくあり、森のバターはアボカド、畑の肉は大豆、畑のミルクはぶどう、海の牧草はイワシと言われているのは結構有名かと思います。
この食べ物を別の食べ物に例えるのは、その食品が収穫される場所と含まれている栄養素が大きく影響されています。
この記事では、牡蠣が海のミルクといわれる理由と、牡蠣に含まれている栄養素と効能についてお話していきます。
牡蠣が海のミルクと言われている理由
理由は大きく分けて2つありますが、それは外観と豊富な栄養素にあります。
まずは、牡蠣の身が乳白色であることです。
ミルクと言われている以上、身が乳白色である事は十分な理由になると思います。
そして、何と言いましても牡蠣に含まれている豊富な栄養素があります。
牛乳にもさまざなな栄養素が含まれている事から、海のミルクと言われるようになりました。
実は「海のミルク」と言われる前から、牡蠣が滋養強壮食材であることは知られており、同様に栄養豊富ということを示す代名詞として「海の玄米」と呼ばれていた過去があるそうです。
牡蠣に含まれている栄養素とは
牡蠣には様々な栄養素が含まれていますが、その中で特に注目していただきたいのが、ヒトが生きていく上で必要不可欠である「亜鉛」と「タウリン」が様々な食材の中でも一番多く含有していることです。
亜鉛
亜鉛が不足すると成長や発育の遅れ・肌荒れ・味覚障害・肝臓の異常などを引き起こします。また、体内の酵素をつくる働きもします。
タウリン
脂肪の消化吸収を促進します。血液中のコレステロールの上昇を抑えてくれ、神経系のトラブルにも効果があり、血圧を正常に保ちます。
たんぱく質
人間の体を作る上で必要な成分であり、とくに食べ物からしか摂取できない8種類の必須アミノ酸と合わせて18種類のアミノ酸を含んでおり、これだけのたんぱく質を含む食べ物はほとんどありません。
グリコーゲン
グリコーゲンとは糖質の事を言い、グリコーゲンは疲労回復に効果的で体内のエネルギーが不足したときに糖質に変化して血液中の糖度調節に使う働きがあります。
ミネラル
ミネラルは、糖質、脂質、蛋白質、ビタミンと並び五大栄養素の1つとして数えられ、有機物以外のものをさします。
牡蠣にはカルシウム、カリウム、リン、鉄、ヨード、マンガン、マグネシウム、銅、亜鉛、コバルトなどが含まれています。
日本人は亜鉛や鉄が特に不足していると言われているため、栄養満点の牡蠣を食べる事で亜鉛不足、鉄不足を解消したいところです。
これら多くの栄養素が含まれていることは分かりましたが、では具体的に日常生活のなかでどういった役割を果たしてくれるのでしょうか?
牡蠣の栄養素が体に与える影響とは
美肌効果
アミノ酸がお肌に働きかけ顔色を良くして、肌をきめ細やかにしてくれます。
貧血の改善
牡蠣には血液を構成するための鉄、銅、コバルト、ビタミンA、B1、B2、B12、葉酸などが豊富に含まれているので、貧血の改善に最適な食べ物です。
二日酔いの症状緩和
牡蠣に含まれるタウリンが、肝機能を上げる役割を果たし、お酒に含まれるアセトアルデヒドの分解能を高めてくれます。そのため、二日酔いの症状を軽減されます。
牡蠣が栄養満点の理由とは
牡蠣に含まれている多くの栄養素が海のミルクと言われるのは理解していただけたと思いますが、そもそもなぜ牡蠣はこれだけ多くの栄養素を含まれているのでしょうか?
牡蠣は1日に約300Lもの海水を吸水と排水を繰り返しながら、生息している海域のあらゆる成分を体内に吸収し育ちつからです。
これは他の貝類と比べても郡を抜く数値であり、他の食材と比べても牡蠣は多種多様な成分が含まれています。
逆に言えば、牡蠣は何でも吸水するため、汚染物質や菌類も吸収するため、食あたりやノロウィルスや腸炎ビブリオなどに感染する可能性が他の食材に比べてもかなり高い事が言えます。
栄養満点の牡蠣ですが、食あたりを起こしやすいという何とも悩ましい問題を抱えている食材と言えます。