冬になりますと、冷え切った体を温めてくれるあったかいお風呂にゆっくり入りたいと思うようになります。
そんな中、冬至になりますと家庭のお風呂や公共の温泉施設などで、柚子風呂に入る機会があると思います。
冬至と言えば柚子風呂と言うのは、昔からの習慣で当たり前になっていますが、
・なぜ冬至の日に柚子風呂に入るの?
・柚子風呂の効果って何?
この質問にきちんと答えられる人はどのくらいいるのでしょうか?
柚子風呂以外にもみかんやレモン、りんご、大根までもお風呂に入れるなど、お風呂の入り方もどんどん進化しているように思えます。
この記事では、昔からの習慣で定着しています柚子風呂にスポットを当てて、冬至の日に柚子風呂に入る理由と効果、効能について説明していきたいと思います。
冬至の日に柚子風呂の理由とは
冬至の日に柚子風呂に入る理由は大きく分けて3つの理由が合わさって、江戸時代から日本で習慣化されました。
一つ目は、冬至は一年で一番昼間の時間が短いため、日本や中国ではこの冬至の日に太陽の力が一番弱まる日とされています。
太陽の力は運気を上げると言われており、冬至までに下がった運気を、この日を境に運が上昇すると言われています。
そこで、運を上昇させる前に、香りの強いゆずを冬至の日にお風呂に入れて、体を清める事で余計な邪気をはらうために行なわれるようになりました。
二つ目は、柚子風呂には体にとって良い効果がたくさんあるため、健康な体で新春を迎えようという気持ちから、冬至にゆず湯に入ることが昔から定着してきました。
三つ目は、ゆずは「融通がきく」、冬至は「湯治」の語呂合わせで縁起の良いものとなっているからで、冬至には無病息災を願って、ゆず湯に入る事が習慣化されました。
柚子風呂の効能とは
柚子に含まれている主な成分は、以下のようなものがあります。
果実⇒クエン酸、酒石酸、リンゴ酸
果皮⇒ビタミンC、ペクチン、ビタミンP、芳香油
果汁⇒カリウム、カルシウム
種の中⇒物質リモノイド
ゆずを浮かべることで精油分やビタミンCなどの成分がお湯に溶け出し、さまざまな効果を産みだしてくれます
柚子に含まれている成分による、体への効果は次の通りになります。
クエン酸、ビタミンCの効果・・・美肌効果、冷え性、美白の効用やひび・あかぎれの予防や改善、リウマチや神経痛や腰痛の症状緩和、湯冷め防止、ストレス解消
物質リモノイドの効果・・・抗がん作用・悪玉コレステロール抑制作用
ペクチン質の効果・・・血糖上昇の予防、コレステロール値のコントロール
ビタミンP・・・血圧低下、 脳卒中、心筋梗塞の発作予防
芳香油・・・湯上がりの後の湯冷め防止
血管の収縮をうながすノルアドレナリンの量も多く検出されているため、血管の収縮を多くし、全身の血流を良くしています。
その他、ゆず湯には発汗、解熱、疲労回復といった効果や 柑橘系のフレッシュな香りでリラックスでき、快適な睡眠を促してくれる効用もあります。
家庭で柚子風呂に入る時の注意点
冬至の日に家庭で柚子風呂に入ろうとすると時の注意点ですが、ゆずは酸性であるため、肌が弱い人が入ると刺激が強く肌が荒れてしまう可能性があります。
柚子風呂には、柚子を丸ごとお風呂に入れるパターンと輪切りにしてお風呂に入れるパターンの2種類あります。
輪切りの方が、果実や果汁、種の成分もお湯に抽出されやすくなるため、肌が弱い方は丸ごとの状態で入る事で、輪切りに比べて効果は薄くなりますが、肌への負担が和らぐかと思います。
丸ごとでも肌が荒れる場合は、柚子風呂を諦めざるをえないと思います。その場合は、同じ効果のある入浴剤などで代用して楽しむのもひとつの方法です。
もうひとつ、柚子風呂は日中に入る事は避けてください。
柚子に含まれる芳香油は、紫外線の影響を受けやすく、日焼けしやすい特徴があります。
皮膚が紫外線の影響を受け、シミやしわが出来てしまい、本来の効果と逆効果になるからです。
柚子風呂の意外な効果とは
ここまでは、柚子風呂に入る事による体への効果について述べてきましたが、実は、家庭で柚子風呂した時にもうひとつだけ、嬉しい誤算があります。
ゆずを含む柑橘類には、リモネンという成分がふくまれており、リモネンは汚れを落とす効用があります。
そのため、お風呂の残り湯を次の日の洗濯に利用すると、汚れがよく落ちますので、洗剤量を抑える事にもつながり、まさしく一石二鳥です。