この時期、天気予報を見ると、
「本日は小春日和になります」
という言葉を聞く機会が多くなります。
しかし、小春日和になると言われても、いまひとつどんな状態になるのか分かっていない方は多く、漢字から春をイメージするため、春の訪れというふうに誤解してしまう方もいると思います。
小春日和は春の訪れを意味するものではありませんし、春に使う言葉ではありません。
この記事では、天気予報でよく聞く小春日和の意味と、春に使うのが間違っている理由について解説していきます。
小春日和の意味と使用時期とは?
小春日和は、天気予報では冬の時期にまるで春が来たかと思うくらい暖かく穏やかな天気の時に使う言葉で、春の訪れを告げると勘違いされる方が非常に多いです。
実際に天気予報で使う場合は、晩秋から初冬にかけて使われます。
晩秋は11~12月の初めごろに該当し、初冬は11月上旬~12月中旬に該当するため、小春日和は11月~12月の時期に使われる言葉です。
そのため、1月や2月といった冬真っ盛りの時期に使うのは間違っていますし、3月以降の春の訪れという意味で使う事も間違っています。
季語として小春日和の正しい使用時期とは?
天気予報と少しかけ離れますが、日常生活でも小春日和という季語として使う機会があります。
手紙、メールの場合
会社の取引先に手紙やメールを送る場合、文の冒頭や終わりの挨拶で「小春日和」を用いる事があります。
文の冒頭では、
「小春日和の頃、記者ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
「小春日和の穏やかさにほっとする日が続いています。」
文の締結には、
「小春日和の暖かな日々が続きますが、冬はすぐそこですのでどうぞご自愛下さいませ。」
という風に、使われる事があります。
このような季語が入ったビジネス挨拶を送るのは11月と決まっています。
そのため、春に上記のようなビジネス文章を送るのはマナー違反というよりは、一般常識を疑われてしまいますので気をつけたいところです。
俳句
俳句の季語として「小春日和」を使う場合、小春日和は冬(旧暦で10月~12月)の季語になります。
小春日和を用いた代表的な俳句に松本たかしという俳人が読んだ句で、
「玉のごとし小春日和を授かりし」
があります。
この句の意味は、「冬の合間の小春日和は、まるで天から与えられた宝物(玉)のようだ」
という意味の句になります。
最後に
小春日和は感じに春がついており、つい「春」の訪れを表す言葉と勘違いして、冬の終わりの暖かい日に、春を待ち望む気持ちで使う気持ちは分かりますが、知ったかぶりにならないよう、間違ったタイミングで使わないようにして気をつけたいものです。