今までは、日本における飛来物質と言えば、「黄砂」でしたが、ここ数年は、「PM2.5」も飛来物質として認知されています。
しかし、PM2.5が認知されても、
・PM2.5って何?
・PM2.5が大量に発生する原因とは?
・PM2.5が飛来する原因とピークっていつ?
といった疑問にきちんと答えられる人は少ないかと思います。
これらの疑問にきちんと答えられると、事前にPM2.5の対策をしっかり行えるため、健康被害を最小限に抑える事につながります。
この記事では、上記3つの質問を中心に解説していきます。
PM2.5って何?
PM2.5は、「Particulate matter」の頭文字をとったもので、日本語で粒子状物質の事を言います。
粒子状物質とは、μm(マイクロメートル)の大きさの固体や液体の微粒子を指し、工場現場で出る粉塵や、工場やディーゼル車、燃料を燃やしたときに出る排気ガスに含まれるすす、といった主に工場現場等で出る汚染物質を指します。
PM2.5の2.5は粒子の大きさで、直径2.5μm以下の粒子状物質を、PM2.5と呼ばれています。
直径2.5μmと言われてもなかなかイメージがしづらいと思いますが、日本人の髪の毛の太さが50~150μmの間であるため、PM2.5の粒子は日本人の髪の毛の太さの20~60分の1というかなり細かい粒子であることが分かります。
そのため、PM2.5は黄砂もそうですが、花粉と比べても小さくてヒトの体に入りやすい汚染物質であるため、かなり注意が必要になります。
PM2.5に含まれている成分とは?実はタバコも同じ成分!?
PM2.5に含まれている成分は
炭素(黒すす)、硝酸塩、アンモニウム塩、硫酸塩、ケイ素、塩素、ナトリウムやカルシウム等の金属粉
などが含まれています。
つまり、PM2.5は複合成分が混じったものの総称としてよばれています。
実はたばこの煙も同様の成分を含んでおり、たばこの燃焼によって発生する煙もPM2.5の仲間です。
実際に喫煙ルーム無いのPM2.5の実測値は、中国北京のPM2.5と同レベルであると言われています。
そのため、PM2.5が飛来してくるという事は、タバコの煙が大気レベルでやってくるとなるため、体への悪影響は避けられないのは言うまでもありません。
PM2.5が発生する原因は?
PM2.5が発生源は中国です。
中国はここ近年で、急速な経済成長を遂げている国で日本を追い抜こうとしている勢いです。(現在は、少し勢いが落ちている所はありますが、確実に成長はしております。)
日本でも、昔は高度成長期と言われる時代に、有害物質の規制がかけられる事もなかったため、水俣病やイタイイタイ病、喘息、アスベストなど、さまざまな公害問題が発生しました。
今の中国は、日本の高度成長期と同じ感覚で成長を続けております。
そのため、中国で大気汚染が深刻化しており、本来規制されるはずの有害物質が、規制もなされずに垂れ流された結果です。
報道でも、中国の大気汚染問題はたびたび取り上げられており、一度は、大気汚染物質によって、一面真っ白の中国の街並みを見たことあると思います。
日本は、今は有害物質の規制がかけられているため、公害被害もかなり減少しましたが、中国で排出されているPM2.5が日本へ飛来して二次被害という形を受けているのが現状です。
次に、日本にPM2.5が飛来する理由と、時期のピークについてお話していきます。
PM2.5が飛来する理由と飛来時期について
PM2.5は中国が発生源ですが、日本にPM2.5が飛来するのは、2月~4月の間が最もピークを迎えます。
その一番の理由は、偏西風によって、PM2.5が日本に運ばれてきます。
偏西風は、一年中西から東に吹いていますが、夏は高緯度で偏西風が吹き、冬は低緯度で偏西風が吹くため、ちょうどPM2.5の発生場所と偏西風が吹く場所が重なるのが2月~4月になります。
PM2.5は九州地方(長崎、佐賀、福岡、大分、熊本)や四国地方が最も影響を受けやすいとされていますが、その理由は、地球の緯度とPM2.5の発生場所の緯度、偏西風が吹く緯度がほぼ一致するからです。
近年は、関西や東海地方にもPM2.5の被害が出ているなど、PM2.5は日本全国で対策をとるべき問題になっています。
最後に
PM2.5の発生源の中国ではしばらくの間、汚染物質を排出し続ける事になるかと思います。そのため、私たちは中国がどうのこうの言うよりも、きちんとした対策をとるしかないのが現状です。
また、PM2.5が体に与える影響や対策方法についても以下の記事でお話しているので、是非ご覧ください。