気象の謎

地震発生時の震度とマグニチュードの違いとは?

日本は昔から地震大国で、特にここ数年地震活動が活発化してきて、大規模地震から小規模地震の回数が増えてきています。

そのため地震が起こると、地震速報ですぐに「震度」と「マグニチュード」が発表されますが、この違いをきちんと理解していますか?

基本的に、震度とマグニチュードは関係性があり、震度が大きいとマグニチュードは大きくなります。

しかし、

「震度は小さかったが、マグニチュードは意外と大きかったなあ~。」

「震度が大きかったのに、マグニチュード意外と小さかったなあ~。」

と感じた事は一度はあるかと思います。

そうなると、

「震度とマグニチュードって結局どっちが重要なの?」

と思うでしょう。

この記事では、特に今、日本人が身につけなければならない地震の知識のうち、最も基本的な「震度」と「マグニチュード」の違いと関係性、「震度」と「マグニチュード」はどっちが重要なのかお話していきます。

震度とは

震度は揺れの強さの事です。

つまり、震度が大きければ大きいほど、私たちの体に感じる揺れは大きくなります。

当たり前と言えば当たり前ですが、非常に分かりやすい指標です。

よく、大きい地震が起こると、政府や都道府県庁が対策本部を立ち上げるのをテレビで見たことあるかと思いますが、震度5以上の時に立ち上げられます。

また、「震度5弱」「震度5強」という表現が使われますが、強と弱が使われるのも、実は震度5以上の時です。

そのため、震度は0.1.2.3.4.5弱.5強.6弱.6強.7の10段階で評価されます。

震度の測定方法は、日本各地に設置している震度計によって観測されています。

以下にそれぞれの震度における人、屋内の状況、野外の状況を気象庁のデータをもとにまとめてみました。

震度屋内状況野外状況
0
1屋内にいる人の一部がごく僅かに感じる
2屋内にいる人の多くが揺れを感じる電灯がわずかに揺れる
3屋内にいる人が揺れを感じる食器が音をたてる電線が少し揺れる
4眠っている人が目を覚まして驚く電灯が激しく揺れる電線が大きく揺れる
5弱恐怖を覚える食器、本が落ちる、家具移動窓ガラスが割れる
5強行動に支障をきたす食器、本がほとんど落ちるブロック塀が崩れる
6弱立つ事が困難重い家具が移動ほとんどの壁のタイル、窓ガラス落ちる
6強自分の意思で行動出来ない戸が外れる
7全家具が移動

震度は、揺れた時の人、屋内、野外の状況で判断されるため、震度が分かると、その場所の被害を直接感じる事が出来ます。

マグニチュードとは

マグニチュードは地震の規模の事です。

地震が発生した場所を震源地と言いますが、震源地を中心に揺れが広がっていきます。

つまり、震源地での地震のパワーと考えてもらって大丈夫です。

マグニチュードの定義は難しいので割愛しますが、0.2大きくなると地震の規模が2倍になります。

つまり、マグニチュードが1大きくなると、32倍になります。

そのため、

・東日本大震災  M9.0(震度7)

・阪神淡路大震災 M7.2(震度7)

であったことから、あの未曾有といわれた阪神淡路大震災のマグニチュードが7.2であったため、東日本大震災は、阪神淡路大震災の約26万倍のパワーを持っていたという事になります。(計算が違っていたらごめんなさい)

最大震度は同じく7でしたが、それだけのパワーで日本を襲ってきたら、被害の規模が尋常で無かった事が頷けますし、地震の怖さを改めて思い知らされた出来事でした。

マグニチュードは、被害の大きさを表すよりも、被害の範囲を示す指標として用いられる事が多いです。

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震度とマグニチュードの関係とは

マグニチュードは地震の規模(パワー)であるため、同じパワーでは、

・パワーを出す場所(震源地)から近い場所では、揺れは大きくなる

・パワーを出す場所(震源地)から遠い場所では、揺れが小さくなる

となります。

また、地震速報で、「震源の深さ」についても表示がされますが、震源の深さは震源地が地表からの深さです。

つまり、同じマグニチュードでも

・震源が浅いと揺れは大きくなる

・震源が深いと揺れは小さくなる

となります。

ちなみ、同じマグニチュードでも、

・震源が浅いと揺れる範囲は狭くなる

・震源が深いと揺れる範囲は広くなる

となります。

また、その場所の地質によって、同じパワーでも感じる揺れの大きさが変わるため、基本的のは震度とマグニチュードは比例関係になりますが、上記の理由で当てはまらないパターンも出てきます。

結局、震度とマグニチュードはどっちが重要なの?

震度とマグニチュードはどっちが重要かと言われたら、直接的には被害のバロメーターになる震度の方が重要になります。

マグニチュードは地震の規模であるため、震源地からの距離、震源の深さ、その場所の地質などによって、人が感じる揺れ、屋内や野外の状況が弱くなり、マグニチュードの大きさ程の揺れは感じません。

それなら、マグニチュードは必要ないと考えては駄目です!

先程、言ったようにマグニチュードは地震のパワーです。

震度はあくまでも揺れの大きさであるため、先程の東日本大震災と阪神淡路大震災を比較しても、同じ震度でもパワーがあまりにも違い、被害の範囲が桁違いでした。(その場所でも被害は同じでも)

パワーが大きいという事は、どれだけ震源地から離れていても揺れを感じますし、パワーが大きいとプレートが大きくずれるため、しばらくの間、余震を含めた地震活動が活発化する可能性が高いです。

東日本大震災や熊本地震も、本震のあとの余震がかなり長い間続いたのはご存知だと思います。

また、パワーが強いと被害の範囲が広がるので、直接揺れが小さくて被害は最小限でも、今後の生活(移動、仕事の取引先との関係、物資が調達出来ないなど)に支障をきたす事はよくあるので、マグニチュードによる数値も大事になってきます。

つまり、それぞれの数値をきちんと把握する事が、被害の状況をいち早く察知したり、今後の予知も含めて、それに合う行動を取る事が出来ます。

最後に

「震度」と「マグニチュード」、さらに「震源の深さ」の意味をきちんと理解しておくことは、地震状況を理解する上でかなり重要になってきます。

地震に関して言えば、今までの常識が全く通用しなくなっていますが、まずは、テレビで流れる地震情報用語はきちんと理解しておくように心がけましょう。

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