食の謎

銀杏の栄養は豊富であるが食べ過ぎないほうがいい理由とは?

秋になりますと、黄葉したイチョウを多く見かけると思います。

この時期は、銀杏の独特の匂いを嗅ぐ機会も増えますが、同時に銀杏を食べたくなるかと思います。

銀杏は、想像以上に栄養素が豊富である一方で、銀杏の食べ過ぎによる中毒症状も毎年報告されています。

この記事では、銀杏の栄養と効能、食べ過ぎによる中毒について詳しくお話していきます。

銀杏の栄養と効能

銀杏は、脂質、糖質、たんぱく質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、鉄分、カリウムなど多くの成分を豊富に含んでおり、特にビタミンB1とミネラルのバランスがよく、糖質が多いことが特徴です。

そのため、即効性のあるスタミナ食や薬用として中国では古くから食用に利用されていました。

ビタミンB1も多く含まれ、脳の中枢神経や手足などの末梢神経の機能を正常に保つ働きがあります。そのため、疲労回復や食欲不振、肩こり、イライラの解消してくれます。

また、カリウムには体外へ余分な塩分を排出する働きがあり、利尿作用のほか、高血圧やむくみの改善にも効果があります。

その他、銀杏は潤肺(じゅんぱい)、鎮咳(ちんがい)、去痰(きょうたん)にも作用します。潤肺(じゅんぱい)は肺を潤し、鎮咳(ちんがい)は咳を鎮め、去痰(きょたん)は痰を出しやすくしてくれます。

このような効能は漢方に近いものがあり、実際に、漢方のせき止め薬の定喘湯(ていぜんとう)は、銀杏を用いた薬です。

そのため、きんかんやカリン等と同様に、古くより民間療法の咳止めとして使用されています。

銀杏の葉っぱも良き効能

銀杏は、身の部分を食べる事がほとんどですが、実は銀杏の葉にも素晴らしい効能がありますので、ご紹介します。

実際に銀杏の葉を直接食べる事はなく、どちらかと言いますと銀杏の葉の成分をサプリとして摂取します。

銀杏の葉には13種類のフラボノイドギンコライドという物質が含まれております。

この2つの物質によって、血管拡張作用、動脈硬化の改善、鎮痙作用、血糖値正常化、活性酸素除去作用、アレルギーの抑制作用、抗炎症作用等多彩な働きがあります。

さらに、しもやけ等にも効果があると言われています。

そのため、銀杏の実だけでなく、銀杏の葉にも注目するとなおさら良いと思います。

最後に、銀杏の葉サプリメントを選ぶ時の注意点ですが、銀杏には「ギンコール酸」というアレルギー反応を引き起こす可能性がある成分が含まれているので、ギンコール酸が除去されているサプリメントを選ぶと良いです。

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銀杏の食べ過ぎによる中毒について

銀杏は、少し苦くて独特の匂いがしますが、それが良いアクセントになってついつい食べ過ぎてしまう人は多いと思います。

しかし、銀杏の食べ過ぎは、中毒症状を引き起こす可能性があるため注意しなければいけません。

銀杏には、ビタミンB6の吸収を妨げる「メチルビリドキシン」というアンチビタミン物質を含んでいます。

メチルビリドキシンは、ビタミンB6を欠乏させて、下痢や鼻血やけいれんを引き起こす傾向があります。

しかし、メチルビリドキシンは熱に弱い性質があるため、炒ったりゆでたりと加熱調理することで著しく軽減されます。

成人は、肝臓に解毒する酵素があるため、大量に食べない限り中毒症状はめったに起こる事はありませんが、子供の場合、解毒する酵素が十分備わっていないため、個人差はありますが、5~10個食べるだけで、中毒症状を引き起こす可能性があります。

実際に報告されている銀杏中毒の患者の70%以上が10歳未満の子供です。

そのため、銀杏を食べる時は、しっかりと加熱調理をしたものを、10個以下に抑えるようにして、出来るだけ子供には食べさせない方が良いかと思います。

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