秋から冬にかけて、家電量販店や家具屋で、こたつ、ストーブ、電気オーブン、カーペットの製品を見かける機会が増えてくると思います。
これらの製品に共通するのはすべて「遠赤外線」が使われている事です。
このように様々な用途で使われている遠赤外線は、私達の生活に無くてはならない存在になっています。
これだけ身近な遠赤外線ですが、遠赤外線について聞かれますと、ほとんどの方は、
熱を伝えて、体の芯から温めてくれるもの
という風に答えると思います。
この答えは半分正解で半分間違っており、正しい遠赤外線の効果についてきちんと知っている人は少ないです。
この記事では、そんな遠赤外線の効果についてきちんと説明していきたいと思います。
遠赤外線とは
遠赤外線とは、太陽の光の一部です。
太陽の光は、通常見る事が出来ませんが、X線、マイクロ波、紫外線や赤外線、虹の7色のように何か障害物に反射して見る事が出来る可視光線から構成されています。
私達の目に見える光(可視光線)の中で最も波長が長い赤い光よりも、波長が長いものが赤外線になります。
赤外線の種類の中に、近赤外線と遠赤外線が存在し、可視光線に近い性質を持つのが近赤外線で、赤外線の中でも電波に近い性質を持つのが遠赤外線になります。
波長短 X線→紫外線→可視光線(紫・・赤)→赤外線(近赤外線・遠赤外線)→マイクロ波 波長長
遠赤外線の性質
太陽の光に当たりますと、温かくなるのは皆さんご存知だと思いますが、太陽の光の中に、物を温めることが出来る力が存在し、それが遠赤外線です。
そのため、遠赤外線は熱をよく伝えます。
また、遠赤外線は、プラスチックス、塗料、繊維、木材、食品や人間を含む動物を形成している分子の振動とぴったり合うので、これらの物質に照射された遠赤外線は吸収されやすく、熱を伝えるので温度を上昇させ、物を温めるのに向いています。
しかし、ここで勘違いをしてしまうポイントが隠されています。
人も遠赤外線を吸収されやすいので、遠赤外線ストーブやこたつを使うと、体の内部までポカポカになると思われがちですが、これが間違いです。
実は、遠赤外線自身、吸収される物体に当たると、吸収が良すぎて物体の表面に当たった瞬間に遠赤外線がすべて吸収されるため、物体の内部まで遠赤外線はあたりません。
そのため、体の芯から温まるは嘘になります。
つまり、こたつ、ストーブ、カーペットを購入する際に、
「遠赤外線効果で体の芯からぽっかぽか」
というキャッチコピーを見たら、話半分に聞いておくのが良いです。
もうひとつ、遠赤外線の性質として、絶対温度0℃(-273℃)という低温でない限り、全ての物質は遠赤外線を放射します。
その中でも、セラミック粒子は遠赤外線を出しやすく、その性質を利用したのが、遠赤外線下着になります。
遠赤外線下着の原理は、セラミック粒子を練りこんだ遠赤外線下着を履くと、人の体が発する熱を遠赤外線下着が吸収して、その熱を遠赤外線として体に向けて放射されます。その結果で温かくなっているのです。
遠赤外線の効果
遠赤外線は、物を温めてくれる効果はもちろんの事、他にも様々な効果が期待出来ます。
実は、遠赤外線は水への作用が大きく、遠赤外線が水に当たると、水分子が活発に活動します。
そのため、私たち人間は、体の70%は水分で構成されているため、遠赤外線に当たる事で、血管の拡張、血流循環の促進、代謝の向上が期待出来て、最終的に老廃物、尿酸、脂肪、乳酸などを排泄させます。
遠赤外線の利用分野
最後に、遠赤外線を利用した産業について紹介したいと思います。
・遠赤外線加工食品 農産物(干し柿、お茶、コーヒー焙煎、煎餅焼上げ、うどん乾燥など)
・ヘアドライヤーなどヘアケア製品、温熱治療器
・サウナ、岩盤・溶岩浴
・赤外線センサ、サーモブラフ、防犯装置、センサーライト、リモートセンンシング、放射温度計生体認証
なるほど~勉強になりました。
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