皆さんは、天気予報を見る際に必ず天気図を見ると思いますが、天気図の中は、等圧線と呼ばれる線がたくさんあります。
しかし、等圧線の読み方や意味をきちんと理解しているのは少数ではないでしょうか?
等圧線の読み方が分かれば、小学校や中学校の理科の試験対策はもちろんの事、等圧線から天候をある程度読み取る事が出来るので、大人の方にも是非きちんと理解しておいて欲しい内容です。
この記事では、天気図にある等圧線の読み方と等圧線から分かる事について解説していきます。
等圧線とは
等圧線とは、字の通り、気圧が同じ箇所を結んだ線になります。
いくつもの等圧線をひくことによって、高気圧や低気圧がどのように分布しているか知る事が出来ます。
等圧線の太い実線は1000hPaや1020hPaの20hPaごとに、細い実線は4hPaごとに描かれており、細い破線は補助線として必要なときに2hPaごとに描かれております。
なぜ、太い実線と細い実線、補助線を使い分けているかと言いますと、気圧の変化があまり無い場合、等圧線の間隔が開きすぎるため、等圧線を読むのが困難になるため、細かく気圧の値を刻むために補助線を用いています。逆に太い実線は、等圧線の間隔が狭い場合に有効になります。
等圧線から分かる事
等圧線は高気圧や低気圧がどのように分布しているか知る事は出来ますが、
・そんなの知って何になるの?
・晴れか雨か分かれば良いのでは?
と思っている方はいるかも知れません。
しかし、晴れか雨かは1日や半日単位で言える事では無く、刻一刻と変化しています。
そのため、天気図を用いる事で晴れや雨の情報だけでなく、自分である程度推測する事によって、自分の環境に合わせた選択(傘が必要か、イベントの開催の是否など)をする事が出来ます。
そして、気圧は天気を左右する要因にもなります。
等圧線は気圧の分布を知る事が出来るので、最低限上記3つは簡単に知る事が出来ます。
風の強さ
風の強さは、等圧線の間隔で知る事が出来ます。
風は気圧が高いところから気圧が低いところへ向かって吹きます。
等圧線の間隔が狭いと気圧が高いところと低いところの距離が近いため、風の勢いが出やすくなるからです。
等圧線の間隔が狭いと、風は急な下り坂を高いところから低いところへ一気に転げ落ちてるイメージを持つと分かりやすいです。
風の方向
等圧線の状態から、風の方向をある程度予測することが出来ます。
上空では、等圧線と平行方向に風が吹きます。
これは、地球は自転しているので、気圧差による風が吹く時、大気が移動する時は、北半球では右側(時計回り)に行こうとするコリオリの力が働きます。
その結果、風向きがほぼ90度右に向いてしまうため、等圧線とほぼ平行に風が吹きます。
一方、地上では少し事情が変わってきます。
地上では空気抵抗や地面による摩擦のため、コリオリの力が弱まります。
そのため、気圧変化よりも右側に、等圧線より左に風が吹きます。つまり、地上では気圧の変化(高気圧→低気圧)の方向に対して45度時計回りの方向に風が吹くことになります。
それでも、地上は障害物(ビル、山、施設など)があるため、一概に45度時計方向方向は当てはまりにくいですが、ひとつの参考にすることは出来ます。
注意点として、南半球では反時計方向になります。
天気
天気は単純に高気圧か低気圧かで判断することが出来ます。
高気圧は上空から地上に気流が流れるため、上空に雲が出来にくいため、晴れる事が多いです。
低気圧は地上から上空に気流が流れ、低気圧の中心に空気が集まり、雲が出来やすいため雨が多いです。
等圧線も基本的に高気圧、低気圧の表示はされているので、簡単に判断出来るかと思いますが、等圧線の間隔が広いのが高気圧、間隔が狭いのが低気圧になるため、等圧線の間隔で天気の判断を簡易的に行う事が出来ます。
等圧線の読み方
それでは、実際の等圧線の読み方について、例題を出しながら解説していきます。
図:http://www.max.hi-ho.ne.jp/lylle/test/k_kiatsu.html参照
Q1:b地点とC地点の気圧はそれぞれなんぼか?
実線は、4hPaごとに引かれているので、b地点は1020hPaと1024hPaの間をとって1022hPa、c地点は1012hpaと1016hpaの間をとって、1014hpaになります。
Q2:aの風とbの風、穏やかなのは?
等圧線の間隔が短いほど、風が強いので、b地点が答えになります。
Q3:a地点の風向きが北東で、d地点の風の向きは西である理由とは?
風は、高気圧から低気圧に向かって吹きますが、基本的に気圧差による風の向きは等圧線の垂直方向になります。
そのため、気圧差による風の向きは、a地点では北向き、d地点では南西向きになります。
そこから、45度ほど時計周りに周るので、a地点は北東向き、d地点では西向きになります。
Q4:a地点とd地点天気が悪くなるのはどっち?
全然難しくありませんが、a地点は等圧線の間隔が広いため、高気圧の可能性が十分高くて天気は晴れです。一方、d地点は等圧線の間隔がかなり短いので、低気圧の可能性が高く、天気が悪いと予想できます。
例題は基本中の基本を中心に挙げましたが、内容としては初級者レベルであるため、この内容をきちんと把握出来ていれば、天気図をある程度理解することが出来ますので、是否理解につとめてください。
天気図の読み方を調べていて、こちらにたどり着きました。
非常に読みやすく、分かりやすく、参考になりましたが、2点確認させて下さい。
>Q2:aの風とdの風、穏やかなのは?
という問いに対して、dと答えておりますが、aよりdの方が間隔が狭いので、「穏やか」なのは、aだと思います。
>Q4:a地点とb地点天気が悪くなるのはどっち?
という問いに対して、「一方、d地点は等圧線の間隔が・・・」と答えており、
「b」「d」が混在してしまっております。(最初の質問も、もしかしたら「b」と「d」を取り違えた?)
お手隙の際にご確認ください、宜しくお願い致します。
なびす小太郎様
ご指摘ありがとうございます。
なびす小太郎様のおっしゃる通りです。
Q2は、dとbを間違って出題しておりました。
Q4は、bとdを間違って出題しておりました。
修正済みですので、またよろしければブログをご覧ください。
天気図の読み方を調べていて、こちらにたどり着きました。
非常に読みやすく、分かりやすく、参考になりましたが、2点確認させて下さい。
>Q2:aの風とdの風、穏やかなのは?
という問いに対して、dと答えておりますが、aよりdの方が間隔が狭いので、「穏やか」なのは、aだと思います。
>Q4:a地点とb地点天気が悪くなるのはどっち?
という問いに対して、「一方、d地点は等圧線の間隔が・・・」と答えており、
「b」「d」が混在してしまっております。(最初の質問も、もしかしたら「b」と「d」を取り違えた?)
お手隙の際にご確認ください、宜しくお願い致します。
なびす小太郎様
ご指摘ありがとうございます。
なびす小太郎様のおっしゃる通りです。
Q2は、dとbを間違って出題しておりました。
Q4は、bとdを間違って出題しておりました。
修正済みですので、またよろしければブログをご覧ください。
入道雲が出たときの垂直方向の気圧分布は、どうなっているのか?
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